戦火のナージャ

なーじゃ

宣伝見て、観たいと思っていたこの映画、
なんだかよくわからなかったけど、
凄い映画だった。

舞台は第二次世界大戦中。
ソ連にドイツが侵攻して独ソ戦争の
さなかに、コトフ大佐と、その娘で、
生き別れた、ナージャそれぞれが戦争に
翻弄される姿を描く。

冒頭、戦争が始まる20年くらい前、
スターリンの誕生日のシーンから始まる。
でかいケーキに、コトフがスターリンの顔を押し付ける
のだけど、こっからして何故って??
その後コトフは銃殺されたと思われていたのだが、
生きながらえて、スターリンに追われるハメになる。
娘のナージャは別の人に育てられるが、
あることで、父が生きていることを知り
探す旅にでる。
その最中に、戦争の悲惨さとか、KGBの傲慢さとか
ソ連での教会の扱いとか、色々語られる。

あとでパンフレット読んだら、
三部作予定の2部目だったようで、
どおりで話がよくわからないはずだと思った。
ロシア映画史上で最大の予算らしい。
三作目は製作中。

3時間近い映画で、登場するエキストラも半端ないし、
悲惨な場面も多くて、時間も人も多いほんと大作だった。

独ソ戦争では、最初ソ連は敗戦続きだったにもかかわらず、
敗戦を世界に知られたくなくて、情報を隠蔽して、
援軍も送らずだったらしく、いつでもどこでも
権力は同じことするんだなとぞっとした。

ところどころ、変なオチとか、ユーモアとか入ってて
なんかよくわかんないけど、ハリウッド映画と違って
展開が読めないのがとてもよい。

うーん、映画ってほんと面白い。

ハリー・ポッターと死の秘宝2

ハリー
長く続いたファンタジー大作もとうとう
終わってしまった。寂しい。

善悪の相対化された話が多くて辟易してたけど
この物語は絶対悪vs絶対善で何らかの解決を
目指している点では評価できるのではなかろうか。
相対主義でもそれぞれの善とかで終わるんではなくて、
協調とかコミュニケーションとか、どう解決するか
って考え抜く方向性のがいい。

若かったハリーも大人に近づき、それとともに
物語も全体的に暗い印象で、陰鬱な内容になってる。
ダンブルドア校長の考えや、スネイプ先生の過去、
ハリー本人の秘密が全て明かされる。ヴォルデモートも
配下をたくさん集めて、一気に勝負をかける。
魔法のビジュアルエフェクトは凄くて、
ホグワーツ魔法学校にバリアを貼るシーンや
バリアが破れるシーンも壮大だった。
面白かった。

しかし、ヴォルデモート人を見る目なさ過ぎ、
あれだけ部下がいるのに、結局負けてしまうとは。
会社も人集めるときはどこに向かうは大事だけど、
誰を乗せるかがとても大事と聞いたことがある。
その時点でヴォルデモートの負けは決まったようなもの。
それにヴォルデモートの恐怖支配は、三国志で言うと董卓
みたいなもので、社長の人心掌握も点でダメダメ。

物語全体として、ちょっとしたミステリーじたて
の青春ファンタジーで面白かった。
続きでないかな。

うーん、映画ってほんと癒される。

映画 マイティ・ソー

ソー

映像がいつもきれいなので、
お気に入りだった監督のケネス・ブラナーの
作品って事で楽しみにしていたこの映画。

北欧神話をモチーフにしたアメコミを
映画化したもので、役者も良かったし
ビジュアルエフェクトもほんと凄かった。

話はいまいちだった。。
もともとシェイクスピア映画を多く撮ってる監督
だから、愛憎劇や駆け引きで大人っぽいのを観たかったが
アメコミだから仕方ないのか。

オーディンの息子のソー(日本ではトールって名前で有名)が
王位継承権を剥奪されて、
人間界に落とされって、辛い目にあって
復活するって物語。
その裏には、弟(あの有名なロキ)の策謀があったり、
別の世界の怨恨があったりする。

仲間は大事にするけど、自分の力に溺れて
傲慢で、全てパワーで解決する主人公は
いただけないし、そもそもそういうふうに育てたのは
親であるオーディンてことで、一概に息子ばかり責めるのは
間違ってるやろって思う。
そういう兄貴を見て育った弟が
俺こいつの下って?思ってぐれるのも
わからないでもない。
弟も弟で、言葉を尽くして改心させたり
って方向取らずに、いきなり裏切るってのも
努力放棄に思えて、じゃあ自分が立派な王様になってやる
と思えない時点で弟も同じだなと、
なんも共感できんかった。

上司は選べないし、決まった制度を
変革するのも難しいという
サラリーマンの世界のアナロジーだろうか。
この主人公は反省能力が備わっていて、痛い目にあって
気づいて改心するから、まだ救いがある。
けど、そんなに人って変われないだろ。
全て自分次第なのだが。

しかし3D映画っていかがなものか。
メガネ付けないと観れないし、
メガネがサングラスみたいに
なんで、せっかくのケネス監督の美しい映像が
単に暗い画像にしかみえない。
商品として提供できるもんじゃないだろうと
思ってしまう。

でも、映画にはいつも癒される。

映画 コクリコ坂から

コクリコ坂

この物語の舞台は横浜の学校で1963年。
学校の歴史的な建物を取り壊してクラブハウスを
建てるという計画があり、
それに反対する学生の間での学園紛争の話と、
主人公が好きになった男が、実は死んだ父の隠し子で…という話し
の二軸を中心にしたシンプルな物語で面白く観れた。
絵のことはよくわからないけど、船が行き交うシーン
はとてもきれいで、また
主人公達二人が自転車で坂を駆け下りていくシーンも
臨場感があってよかった。
そんなにノスタルジックでもないし、説教臭くもなく、
父が同じという背景があるにもかかわらず、
めげずに、気持ちに素直に生きていく
高校生の爽やかな恋愛を描いてるので
後味良かった。

人間って利己的でいつ裏切るか、
裏切られるかわからない存在
で、最大限自己の快楽を大にする為に
意識的にも無意識的にも行動するし、
そのために自分自身さえも騙す部分が多く
ある生き物だと思う。
人と仲良くなったり、付き合いが濃くなってくると
特にそう感じる、
自分自身ももちろんそこから逃げられない。
ジブリの作品はそこを突き抜けた感じの人間像が出てくるから、
自分もそうあれたらなとか思うし、感動する。

横浜に住んでたり、出張で行ってる時に山下公園走ってたりしてたから、
そういえば坂多かったなとか、昔こんなだったんだって、
懐かしく思えたのもよかった。
んー映画ってほんと素晴らしい!